▲ 山頂近くのお花畑(通称冠平)には高山植物が生え、県内では
もっとも高山気分を満たしてくれる山として定評がある。
山頂は急峻で、岸壁をよじ登ると眺めはよく、山頂からは、白山、部子山、銀杏峰、経ヶ岳、荒島岳、
能郷白山、伊吹山などが見渡せる。
山頂への道は急な岩場になっているので、両手両足を使って(三点確保で)這上がれば15分ほどで山頂に
着く。山頂は狭く、岐阜県側は絶壁になっているので転落しないよう注意。
山頂直下の冠平は高山植物が豊富で、狭い山頂とは対照的に広々とした草原風で寝転んで休憩すれば最高。
冠平は低い笹原で、イワウチワ、コバイケソウ、ニッコウキスゲなどの高山植物が見られ、ここで山頂の
壁面を見上げて、一息。
春はシャクナゲ、秋はナナカマドが美しい。
最近のように車が普及し、山奥まで林道が通るようになってくると、それまで一泊しなければ
登れなかった山が日帰り登山もできるようになってきた。
登山口にあたる冠峠へは、今は国道417号に接続する峯越林道が通っており池田町から
も岐阜県藤橋村からも車で入れる。冠峠には駐車場もあり至って便利。
かっては上級者向きであったコ−スが、今では峠まで車で上がることができ、初心者でも高山気分を
味わうことができるようになった。
稲荷より月ヶ瀬、志津原、河内を通って田代に至る間は足羽川上流にそった渓谷美を見ながらの楽しい
ハイキングコ−スともなる。
なお、志津原には池田町によって整備された青少年旅行村があり夏などは避暑を兼ねた
キャンパ−で賑っている。
稲荷までは、福井、鯖江、武生からの3ル−トがあるが、ここから冠峠までは、国道417号を
足羽川沿いに25キロ程、車で遡る。
途中、冠山青少年旅行村のある志津原、田代を通り過ぎると、冠山の山ひだを縫うように付けられた
峰越林道に入る。 舗装されているが、道幅は狭くカ−ブが多いので注意して走る。 足羽川が遥か下に
見える頃、展望が開け、冠峠に着く。
峠には広い駐車場があるが、シ−ズン中は混むので迷惑駐車にならないよう注意する。
水場は峠より岐阜県側に200m程下った所に谷水があるが、前述の旅行村・冠鉱泉で補給するほうが
よい。
峠からは異様な姿をした冠山の山頂が目の前に現れる。
峠には大きな案内板や石の標識があり、ここからは冠山の山頂を目指して県境の尾根道を進む。
最初の緩い登りを詰めた所が田代尾根の頭・越前峠1111m で、ブナ林の尾根道を登り下りして
冠平へのトラバ−ス気味の登りを過ぎると山頂直下の冠平に出る。
冠峠から1時間半弱である。
[福井銀行遭難碑]。昭和36年11月・・・ 追悼歌 ・・・
・・・・山に入りて山とならばや秋月の峰たちのぼる雲ぞすがしき
☆冠山での遭難事故
昭和30(1955)年11月 冠山に登山した福井銀行の一行が、紅葉を求めてやって来たが、天候急変して、遭難
する事故が発生し、田代地区の分教場を、救助本部として、救助活動を開始したが、不幸にも2名の犠牲者が
出た。今、冠山の北側のお花畑となっている冠平に、この人たちの遭難碑が建てられている。
冠峠からの登山に物足りない方は、田代から田代尾根を登る旧登山道があるので『福井の山と半島』の
88〜91頁を参考にして下さい。
◆地図〜1/50000 「冠山」「大野」
【冠山の自然】高山植物 〜岩うちわ、コバイケソウ、つりリンドウ、石楠花、五葉松。 ブナ林。
《岐阜から登る越美の山々》
徳山ダム建設現場を横目に国道417号線を北上します。冠峠までは細いながらも舗装道路が続いているので
快適なドライブです。峠から冠岳ピストンは2時間弱。大学時代、稲荷(池田町)からロードして登った
あの遠かった冠岳も今は非常に身近な山となりました。国道417号線途中には「藤橋城」という
プラネタリウムを備えた観光名所も出来、家族連れでにぎわっています。(FUWVOB:林)
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