FUWV部50年のあゆみ・部誌「ろくしょ」13号

福井大学ワンダーフォーゲル部OB会 福井の山と半島INDEXへ

 1) 「巻頭言」   部顧問教官 松尾 斗五郎

 顧問を引きうけてから早くも三年経とうとしているが、その間、ほとんど形式的な顧問に過ぎな かったことを申しわけなく思うとともに、クラブが順調に活動を統けているのを眺めていて、非常 にうれしく思っている。
 考えるまでもなく、この一、二年は福井大学においても多くの論議を呼び起こす事がらがあった。 もちろん現代は、急進的な学生の抗議が発火点となったのであるが、大学の意味があらためてて問 われ、総点検がなされるべき時であり、大きくは、先進国の仲間入りをした日本の現状と将来の運 命をあらためて考え直さなければならない時期にさしかかったからである。このような動向はクラ ブにもいろいろな影響を与えつつあるにちがいない。全国の大学のクラブの中には、東大の探検ク ラブのようこ、活動の意味に疑問を感じて解散したところもあるようである。又われわれのクラブ でも少数の友が別のものを求めて去って行ったように聞いている。しかし福大ワンダーフォーゲル 部は不死鳥のごとく生きつづけている。それは決して時代から遊離し、逃避しつづけて来たからで はなく、現代の社会においてこそ、ワンダーフォーゲル活動は、クラブ員の一人一人の生きがいの 重要な部分であるというコンセンサスが働いて来たからであろう。
 昨年は「大学問題とワンダーフォーゲル活動」という題で何か書けとおゝせつかったが、このよ うな難問に対して中身のある答を用意することが出来ず、おことわりしたような結果になってし まった。現代の大学問題については、私たち教師はむしろ追求される側の当事者であって、のん気 な顔をして第三者的に発言することはもちろん許されないであろう。しかしあえて現在の感想を一 言だけのべるならば、大学とは、ある意味では絶えざる反乱をもともと内包しているものであって、 異議申立者、たとえば急進的な学生を単なる暴徒として排除することは、結局、大学の死滅につな がってゆく恐れがある。何故ならば、現状否定は新しい思想や、新しい学問を生み出す母体となり 得るのであり、それが大学としての性格の一部をなしている筈だからである。もちろんわれわれは、 つねには、肯定的に彼らに答えるわけにはゆかないが、少なくとも一たん耳を傾けてその提起した 問題については真面目に考えてみたいと思っている。
 すでに大学内部の政治的季節は一応すぎ去ったかのように見える。しかし、むしろこれから何事 かが始まり、何かが変ってゆく出発点だという予感がする。このようた時にワンダーフォーゲルは どのように進んでゆくのであろうか?11月始めの創ワンにおいて、OB諸兄との対話の中で現 役の諸君から暗中模索の声を聞いた。理想を追求するこのような姿勢がある限り、福井大学ワンダ ーフォーゲル部は生き生きとした活動を保ちつづけるであろう。

    ・・・・・部誌「ろくしょ」13号 S46(1960) より

文集1FUWV部50年の歩み沿革
部誌13号
〜部誌13号

  目 次
ろくしょ13号目次
巻頭言……顧問……松尾 斗五郎
  特   集 (合 宿)
新人練成合宿…………塚田 隆夫
新練を終えで・・………佐藤真一郎
冬合宿……………高瀬 義市
夏合宿物語 Aパ−ティーの部……山の貴公子
仙丈パーティ…………西島 毅
夏合宿…………………大関 賢治
池山呂根パーティー……塚田 隆夫
  休 憩 室
ナンセンスコーナー こんな時どうする?………山の貴公子
 ワソゲルの夢
ワソゲルの夢………………遊山
ワソゲルの夢……………岡林 良洋
ワソゲルの夢……………宮崎 秀和
夢の又夢…………………松田 啓三
ワソゲル雑感・・・………新本 雅樹
  自由投稿
越美山麗考………………遊 山
おまえとおれ・・・・・・・・しもとたけゆき
サ−クル論………………J & S
廃村の詩…・・……………………大盛 勝
Myselfの総括・………………徳山 昭男
70円のごはん……………………よ−こ
ワソゲルにおける里歩きのための一私論………大盛 勝
山歩きの魅力 ………………根谷 俊範
戦争について…………………大西 俊夫
学生運動とワンゲル…………新木 雅醍
新入生の必要経費……………徳山 昭男
 足  跡
 部  則…………………………
 パートワソデリソグ規約………
 部員名列…………………………
 OB名列…………………………
 編集後記……………………西島 毅



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