良きワンダラーとなろう
西 脇 寿 郎
日本は全<素膚らしい自炊に党まれている。春夏秋冬に応じ、草木・空・水は
色・姿を変える。
ところを最近の急激な機械文明・都市の発展により、人々は大きな社会組織の
中で一つの型にはめこまれ、次第に目的意識を失い、ただ現在を享楽することの
みを人生の目的とし、将来に対する夢や希望を失いつつある。
このような時にこそ人々は偉大な自然にふれ、自分のなすべきこと,進む道を
正しく知るべきではないだろうか。
我々は「真実と自由」を探し求めて山野を歩く。だがそれらは常に現実の上に
立脚しているべきで、現実からの逃避であってはいけない。なぜなら逃避は敗北
であるから。歪められた社会の中にあって、常にこれに対して敢然とした態度こ
そ貴いのである。
FUWVでは自然に対する手段として、徒歩旅行 登山,キャンピング,サイ
クリング スキー等を行なっている。
確固たる信念と目標を持っての行動であれば、その手段はどのようなものでも
よく、またいくらでもあるだろう。
我々ぱこの線にそい、フンダーフオーゲル運動を行なうのに必要な技術、日頃
のトレーニングを通じての体力の向上、そして夏秋冬合宿において、これらの技
術,体力を最高度に発揮し、さらにチームワーク(リ−ダーシツプとメンバーシ
ップ)という社会生活に必要なものの向上を目標としている。
これらは野外的な方面だが、他方WV運動の啓蒙をはじめ、種々の研究,趣味
など文化的な方面にも分野を広げ 広い視野の下に総合的クラブとしての発展を
期したい。
今年度の方針としてトレーニングとパーワンに重点をおきたい。前者に関して
は東北合宿に見られと体力の弱さを ふだんからの訓練により向上に努める。後
者においこば各自が個々にプランをたで、山だけでなく広い範囲にわたり 積極
的に歩きまわっ欲しい。
今年も卒業生を送り新入生を迎える時期となった。卒業される諸兄は在学中の
多くの思いを大切にし各方面で活躍して下さい。新入部の諸君。一時も早くクラブになじみ、
ともに歩こう。そして語ろう。有能なワンダラーになって下さい。そして愉快な
有意義な学生生活を送ろう。
・・・・・部誌「渡り鳥」2・3号 S35(1960) より
文集1〜
FUWV部50年の歩み〜沿革
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〜部誌4号
目 次
よきワンダラーとなろう………西脇寿郎
フンダラーに誇りを……………石田典一
秋の日‥…………………………松田くみ
白山に遊ぶ………………………中村篤郎
新人練成合宿の思い出…………原 公一
日光旅行の思い出………………大埼紀彦
東北旅行雑感……………………坂本成伸
東北名所探訪……………………清水崇男
日野山をかえりみて……………杉本淳子
鮎川公園ワンデリング…………木田貝明
白山登山記‥…………………大久保重康
秋の黒部峡を探る‥……………小面 裕
八幡平雑話………………………島村一彦
随想………………………………吉冨義久
今日また思うこと………………山田輝男
私の白山記……………………石田外紀代
六所山特集
OBだより
部員名列
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