越山 etsuzan =越前〜 Etizen〜〜越前地方は山に象徴できる。〜〜現在は「嶺北」と言う。
「消はつる時しなければ越路なる しら山の名は雪にそありける」(古今集 凡河内躬恒)
「君が行 こしのしら山しらね共 ゆきのまにまに跡はたつねむ」(古今集 藤原兼輔)
日本海の荒波が打ち寄せる越前海岸は、北陸特有の味わいを持っている。
厳冬の越前ガニ、夏から初秋にかけてのウニ採りなど、その他イカ釣り、コナゴ採りなど四季折々の
海の風物誌は現代人の心に素朴な喜びをかき立てるだろう。
一方、白山国立公園をはじめ、奥越高原県立自然公園の指定を受けている奥越の山々は岳人達の好みの場
である。
加越国境から越美国境の山々、日本百名山の一つに数えられた荒島岳、その他法恩寺山、経ヶ岳など
2000m近い山々は、昭和43年の国民体育大会でも全国の岳人に紹介され、好評を得た。
若水 jakusui =若狭〜 Wakasa〜〜若狭地方は水(海・湖)に象徴できる〜〜現在は「嶺南」と言う。
「若狭なる三方の海の浜清み い往きかへらひ見れどあかぬかも」
と、万葉集に歌われた三方五湖を始めとして、花崗岩の大海蝕崖として有名な蘇洞門 sotomo 野猿の群生する内外海半島など、
嶺南の海岸線は、昭和30年6月、若狭湾国定公園の指定を受けた。
若狭地方は、古い文化財に恵まれた地域でもある。
奈良、京都との結びつきの強かった小浜市は「海のある奈良」ともいわれ、羽賀寺、明通寺、天徳寺など奈良、平安時代の
文化財とリヤス式海岸独特の景観に恵まれた嶺南地方は、ロードワンデリングの地としても最適であろう。
◆◆コースガイドブック「福井の山と半島」の題名は嶺北を「山」、嶺南を「半島(海)」と捕らえる発想から
導き出されたものです。◆
福井県〜http://www.pref.fukui.jp/
●位置・地勢●
福井県は、本州日本海側の中央部に位置しています。
県東部は、隆起形の地形で立山に連なる1,600 〜2,000mの山岳地帯と面積420km2の
福井平野からなり、県西部は対照的に沈降形の地形で1,000m以下の丘陵性の山地と
比較的狭い平野で形成されています。
総面積は約4,190km2で、その75%を森林が占め海岸線は400km余に及んでいます。
● 自 然 ●
福井県は、敦賀市東方の木の芽山嶺を境として嶺北地域と嶺南地域に分けられ、嶺北が
北陸型、嶺南が関西型と言われるかなり異なった気候、風土に属し動植物の生態にも
かなり特色があります。
気候は、全般的に湿度が高く多雨多雪地帯に属しますが、一年を通して季節の変化が明瞭
なことが大きな特徴です。
白山のふもとが国立公園に、海岸線一帯が国定公園に指定されている本県は、まさに自然
の宝庫と言えます。
● 歴史・文化 ●
本県は、古くは日本海側の玄関口として栄え日本最古の歴史書”古事記”(712 年)にも
「神宮皇后が若狭の国を経て高志前(コシノミノチクニ)の角賀(ツヌガ=敦賀)に仮宮を
造る」と記述されています。
現在の県域の源は823 年に越前国(コシノクニ)として誕生し、東北・北陸から京に通ずる
要衝の地として、また大陸文化の窓口として活況を呈していました。その後多くの変遷を
経て、1881 年2 月、現在の福井県が誕生しました。
この長い歴史の中で洗練され、守られてきた数多くの文化遺産は、現在国宝6 件、重要文化
財91件を数え、県内各地に伝わる有形、無形の文化財とともに郷土の誇りとして県民に親し
まれています。